Apple IIとPASSWORK

Apple IIはご存知、小さなパソコン(当時はマイコン)と呼ばれていたで価格も相当に高く、マイコンのポルシェとも呼ばれていた。1977年発売でメモリーは48KB(私が購入したもの 単位は間違ってませんよ)、2台の5インチのフロッピーディスクドライブ2台(容量は140KB)、カラーディスプレー、ドットマトリックスプリンターを購入した。購入はローン(彰国社刊「パッシブ設計手法事典」で頂いた原稿料を頭金にして)。普通乗用車の価格ほどで返済は大変であった。

この贅沢なマシンで何をしたのか.。このひ弱なパソコンでパッシブシステムのシミュレーションプログラムを書こうと思っていた。一応、Basic言語はSHARPのMZ80Cで学んでいたので、何とかなるだろうと購入を決意した。他大学(東大や都立大でも開発の噂は聞いていた)も開発してるらしいので必死で開発をした。

さて、問題は多くの人に使って貰うか。そうなるとUI(ユーザーインターフェイス)が重要になる。最初は手計算でマトリックスの要素の値を決め、Data文で読ませていた。これでも何とか計算はできたが、中々、使えない。そこで手元の英文ワードプロセッサーを真似て画面の表示をキーボードのI(上)、J(左)、N(下)、K(右)を使って画面上を動かし選択した項目の値を入力する様にした。

上のような画面で建物条件の入力を行っていた。ダサいというなかれ。これでも時代を先取りしていたんだ。このプログラムはエスケープシークエンスを使って具現化してる。そして出来上がったプログラムはPASSWORK1.0で現在もPASSWORKは生きている。市販バージョンの名称はSolarDesignerとして(株)クアトロから市販されている。デモもあるのでダウンロードして使って頂きたい。

この元になっているPASSWORK1.0の入力画面を紹介している論文は日本建築学会・電子計算機利用委員会第6回電子計算機利用シンポジウム1984年で「パッシブソーラー暖房の性能予測の実用化についてーパソコンを用いた対話型プログラムー」として発表した。40年近く前である。

演算時間はBasic compilerと3倍速カードを導入し、5分程度で完了するようになった。更に16KBのランゲージカード、USCD P-System(Apple PascalとApple FORTRAN)導入してしばらく使用した。その後はMacintoshに開発のベースを移す。(続く)

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